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CGの展示や雑記など。
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発表当時から心惹かれてたので買ってしまった。いわゆる輸入ってやつです。
半年遅れですがRTの日本発売が決定した…とか思ってたら
いつの間にか日本でもProの発売が決まりましたね。っていうか明後日ですね。
まさかのOffice付きで¥99,800と想像以上に安く、Hasebe先走っちゃった感が正直あります。
だって日本MSウンともスンとも言わなかったんだもん…

とまあそんな感じで使い始めて三ヶ月ちょっとですが、
概観から自分の用途別に至るまで適当に書き連ねてみます。



●なんで買ったの

勤務中はもちろん、通勤中や遊びの外出などで外にPCを持ち出すというのは
最近ではありふれた光景だと思うのですが、ペンタブレットまで持ち運ぶツワモノは
見た事がありません。自分も含めて。っていうか邪魔だし。

しかし一度ペンタブに慣れてしまうとグラフィック系のアプリを
マウスでオペレートするのは結構なストレスになったりもします。
線を引くだけでなく、絶対座標のおかげでポインティング速度が段違いなので
3Dアプリなどでも有用なんですよね。

これだけじゃいくらなんでもニッチすぎる需要かと思うのですが
それはおいておくとしても、単なるリーダーではないモバイルPCには
相反するものが同時に求められているかと思います。
「軽量・省スペースであること」と「パワフルであること」です。
スペックを挙げればデカく重くなりますし、軽く小さくすれば低スペックになりがちです。

そういったジレンマのある中で「画像や映像でもある程度扱えるスペック」、
「タブレットとしても使える事を想定した本体重量・サイズ」、
そしてこの「ペラペラな極薄キーボード」。
そう、ノートPCとして見ると非常に持ち運びやすく
また安物タブレットとは比べ物にならないスペックを持ち、
Windowsのソフトウェアがそのまま使えてなおかつペンタブとしても使用可能…と
個人的には理想のハードウェアに見えました。

薄いキーボードも近づけるだけでガチャンと小気味良くくっ付きます。
ガッシ!ガチャ!アタシは買った。スイーツ(笑)



●本体について色々言えよ

とりあえず一番最初に思った事は「重い」って事です。
隠す気も起こらないくらいに重いです。これで903gなのか…?と思いました。

筐体は「よくまあこれだけのスペックを詰め込めたな」と感心するくらいに薄く、
また表面もマットでさらっとした仕上げの金属で触り心地も良い感じ。
指先からもしっかりとした剛性感が伝わってきますし、
スタンドを使い立てかけたところを見るとものすごくスマートさを感じます。

がしかし、これが有る意味より重く感じさせている部分も
あるんじゃないかなという気がしました。
硬くて小さいほど重量を感じるというアレです。
10円玉をティッシュにくるむと軽く感じる的な。

他のプラスチックボディなモバイルPCと持ち比べてみたのですが、
それっぽい感じが確かにありました。
実際、同程度のスペックを持ちUltrabook世界最軽量を謳う
LaVie Zでも875gなんですよね。
しかしそれでも重く感じる事に変わりはないです。903gは903g。
ノートとして見れば軽いですがタブレットとして見れば重い。

タブレットとして使う事を想定して作ってはいるんだと思います。
ですが「テーブルやひざなどの助けを借りず左手で空中に浮かせるように持ち、
右手の指あるいはペンで使う」
これははっきり言って、無理です。10分持たないと思う。

併せて本体のスタンドはマウスやトラックパッド、キーボードで操作する分には
液晶の視野角が広い事もあり特に問題を感じませんが、それでも角度調節といった
自由度が全くないので「ペンを有効に使って何かを行おう」とするならば、
人それぞれが適したスタイルを探す必要があると思います。
テーブルやひざを上手く使ったり、描画に適した角度で使えるようなスタンドを
別途導入するといったような。
Hasebe自身は適当なタブレット用持ち運びスタンドを使っています。

液晶はかなり色温度が高めです。青い青い。
あまり良いやり方とは言えませんが、とりあえずVGAのプロパティで
赤のガンマを軽く持ち上げて使っています。
デフォルトのままだとMSドライバらしくIntel HD Graphicsの設定が出てきませんが、
IntelのサイトからIHDG4000のドライバをインストールすれば使用可能になります。
パフォーマンスも少し上がるみたい。
視野角については問題なしと言える範囲かと思われます。
誰かと一緒に画面を見ながらの操作も無理を感じる事がありません。

使っているとかなり暖かくなりますが、熱くて持っていられないという程ではない感じです。
FANは二個搭載されているようですが、暖かい―つまりこの筐体を使った排熱が
上手くいっているようで負荷をかけても非常に静か。
設計は上手くいっていると言えるんじゃないでしょうか。

スピーカーは筐体のサイズを考えると思ったより鳴る方だと思います。
所持している安物ノートやVAIO Pなどに比べるとかなり頑張っています。
これはちょっと意外。
もちろんお仲間と比較すれば、という話なので
外付けのアクティブスピーカー程鳴る訳ではないですし、
出力も高くはなくあまり大きな音は出せません。
そもそも音を大きくしすぎるとユニットの限界か音が割れます。
まあ作業中のBGM程度なら十分かとは思います。
というか普通はイヤホンとか使うんでしょうね。
「はにゃぁ~~ん♪」とか「きゅんきゅん☆ミ」とかSurfaceからタレ流してたら
恥ずかしいですもんね。

電源コードは端子が磁石で本体にくっ付くタイプなのですが、これの使い勝手は最悪です。
何にも考えずに近づけただけでガッシリくっ付いてくれるキーボードとは違い
こちらは狙って探って調整しないと端子がはまってくれません。
普通の丸型端子で良かっただろ、と言いたいところなのですが
しかしこの部分には持ち運び時の為にペンがくっ付けられるようになっています。
もちろん電源端子とは排他的な利用になります。
充電する時はペンを外してねっていう。
うーん………………………気が利いているような、そうでもないような。

ハードウェアキーは電源ボタンの他にボリュームアップ/ダウンキーと
タッチセンサーによるWindowsキーがついてます。
最初は「Windowsキーとか真っ先に他のキーに入れ変えるような不要なキー」と
思っていたのですが、Win8からは超重要なキーに変化していますので
これはこれで有り難いのかもしれません。
なおWinキー押しながらボリュームアップ/ダウンキーを押すと
ソフトウェアキーボード呼べたりSS取れたりするみたい。試した事はないですが。



●バッテリーの持ちはどうなの

自分の場合、普通に使って4~5時間というところでしょうか。
そもそも家と会社を往復する毎日の中、無電源で5時間以上PCを触る事がないので
個人的にはこれだけ持てばまあいいかな?という気がします。
少なくとも「トロトロ動作で作業の密度を薄め駆動時間を延ばす」よりはいいかな。

もちろん長持ちすればするほど安心感はあるのですが…
スマホの延長ではなく作業PCとして捉えるのなら、ここらへんは割り切れます。
そもそもブラウジング程度ならもっと安くて使いやすいものが色々ありますしね。



●ペンについてなんか語れ

ペン自体は握りが細くて好みでした。
ただしツルツルクリアなボディなので触感は最低です。直ぐに皮脂でべたつきます。
またペン先は自由に脱着が可能ですが、残念ながらIntuosやバブーンなど
Wacom汎用のペン先は直径が違うので入りません。残念すぎる。

サイドスイッチは少し硬めですが「カチッ」としっかりした押下感があるので
心地よく押せます。ここはIntuosのふにゃちんサイドスイッチより優れていると思う。
ただしサイドスイッチは「一つ」です。重要な事なのでもう一度言います。
「ツーボタンじゃなくてワンボタン」です。
Bamboo Stylus feelが使えるらしいですが、残念ながらこれもワンボタンの様で。

Intuosと言えば、旧来のペンタブレットに慣れきっていると視差
(ペン先と実際のカーソルの位置にズレが出る)、
そして画面が自身の手で隠れてしまう事に違和感を覚えるかと思います。
もっともこれはCintiqのような高級機でもついてまわる問題ですし、
慣れでカバーできる範囲でもあります。

液タブから離れられないという人もいれば、会社が買ってくれると言っているにも関わらず
「別に要らない」「つかそんな金があるのならもっといいイス買って」という人もいるので、
トレードオフとして人それぞれ、というところでしょうか。
どちらにしろマウスよりは遥かに効率的ですし、目の前にあるなら
それを使えばいいだけですしね。

デフォルトではキャリブレート(実際のペンの位置とカーソル座標をすり合わせる)の精度が
かなり低く、またWintab(Wacom系列のAPI)ではなくTabletPC APIとして動作するので
多くのソフトウェアにおいて筆圧が検知できません。浮かせた状態では右クリックも不可。
これについては米WacomからTabletPC-Windows8用のドライバが配布されていますので、
こちらをインストールすれば改善されWacom製品と同じ感覚で使えるようになります。
http://www.wacom.com/support/drivers
http://cdn.wacom.com/U/drivers/TabletPC/ISD_DualTouch_711-12.exe(直)

なお、メニューが登録されなかったので探してみたところ、
「ペンタブレットのプロパティ」は
"C:\Program Files\Tablet\ISD\ISD_PenCPL.exe"
「タブレット設定ファイルユーティリティ」は
"C:\Program Files\Tablet\ISD\setup\PrefUtil.exe"
にあります。

実際試してみたところPhotoshop、Clip Studio Paintとも気持ちよく描けました。
あとMicrosoftが無償で配布している「Fresh Paint」というソフトがあるのですが、
これがまた面白過ぎる。
判りやすさ重視のシンプルなUIなのでちょっと非効率的なところもあるけど、
絵を描く楽しさをこれほど判りやすく伝えられるものもないと思う。
フィンガーペイントの感触がとにかく素晴らしい。
Microsoftは時々判りやすくて高機能なすごいアプリを出すんだよなあ。
Mouse Without Bordersとか。
残念ながらモニタ毎の縦横比を吸収しなかったので使ってはいないのですが…



●キーボードはどうよ

個人的にはこれが最も強力なアピールポイントでした。
一般的に言われるタブレットというのは基本的に物理キーボードがありません。
しかし個人的には、何かを制作するのであれば物理キーボードというのは
ほぼ必須だと考えています。
恐らく世界中の会社や業務で使われているPCのキーボードは未だ99%くらいが
物理キーボードなんじゃないでしょうか。医療関係など特殊なものでもない限り。
伊達に半世紀の間、姿形が殆ど変わってないだけの事はあるんだと思います。

キーボードショートカットを使わないというのは作業効率に大きく響いてきますし、
文字を打たずに済む作業というものもそうそうありません。
かといってソフトウェアキーボードはWebの検索ワード程度ですらダルいので
なるべく触りたくない訳で。
そもそもあれは画面を広く取るためだとか軽量省スペースだとか、あるいは直感的だからとか
そういったものを優先した結果であって、効率的な入力装置とは言い難いところがありますしね。
これもまた一つのトレードオフという事なのでしょうけども。

脱着式や外付けキーボードはかさばるし、大体付け外し自体が面倒な作業です。
自分の場合付けっぱなしか、あるいは外しっぱなしになるのが目に見えている。
じゃあノートPC使えばいいのかというと、冒頭のペンタブ持ち歩くのが
面倒という話に戻ってしまう。
そんな事情の中で、このぺらんぺらんの薄くて軽いキーボードは理想以外の何者でもなかったです。
付けっぱなしでもかさばらないので持ち運びに面倒な思いをする事がない。
そして充電やBT接続の煩わしさといった手間も不要。付け外しも実にアバウトに行えます。

打鍵感はキーストロークが浅過ぎて正直微妙です。パタパタパタパタという感じ。
しかしキーピッチはそこそこ広く取られているので打ち間違いはあまりありません。
強いて言えば、日本語Type Coverの場合Enterキーがすこし小さいくらいかな。
それでも持ち運びのためにサイズを考慮した小さい外付けキーボードを使うよりは
気持ちよく文字が打てるかと思います。キーボードレイアウトも標準的な方と言えるかと。

トラックパッドは二本指スクロールやピンチイン/ピンチアウトなどに対応しており
中々使えるやつなのですが、感度などを細かくカスタマイズする事はできないみたい。
それに文字打ちしていると誤爆してしまう事が多いので
普段は切ってます…切っていたのですが、US Type CoverからJP Type Coverへと換装した結果
Microsoft謹製のトラックパッド制御用ソフトウェア「Trackpac Settings」が
キーボードを認識してくれないようになってしまいました。
デバイスマネージャからトラックパッドのみをオフにする事はできますが、
これでON/OFFするのはちょっと面倒すぎますね。

このキーボードはひっくり返してタブレット的な状態にすると自動的に無効になります。
無効化・有効化も即時行われるので使い勝手は非常に良い感じ。
あまりタブレット的な使い方はしていませんが。

ただし「もーちょっとどうにかならないの」という問題もあります。
上部に並んでるキー群がそう。
キー単体で押すといわゆるメディアキー(音量の調整や検索など)的な機能が呼び出され、
Fnと一緒に押すと従来のファンクションキー(F1~)になるのですが…逆にしてくれよマジで。

今のところこのメディアキーは何をやっても殺すことはできなさそうです。
つまりファンクションキーが使いたければFn同時押しが必須ということです。ファッキン!
HasebeはCtrl+U,I,O等で一発カナや英数変換しているのでまだ良かったのですが
F7でカナ変換してる人はファッキンファッキンでしょうね。



●で、実際アプリ動かしてみてどうなの

まず3DアプリとしてCINEMA 4Dを試してみました。
モデリングやらのオペレーションはペンでサクサクと可能です。
モバイル向けとは言えCPUはi5ですし、IHDG4000もローエンドGeforceやRadeon程度の
力はあるので、思ったよりも軽快に動作します。
400万ポリ程度までなら現実的な動作速度でスカルプトが可能でした。
メモリに優しいZBrushなら数千万ポリもいけるんじゃないでしょうか。

もちろん問題もあって、一つは液晶のドットピッチがあまりにも狭すぎるので
小さなアイコン類はクリックするのに幾分神経を使います。
また前述の通り「サイドスイッチが一つ」なのが猛烈に痛いです。
と言うのは多くの3Dアプリでは中ボタンもそれなりに使うからです。
例えばMaxはビュー操作全てに中ボタンが絡みますし…
もっとも最近ではMaya風に操作を切り替えられるようになりましたけども。
Hasebeもその流れでビュー操作は中ボタン始動がデフォルトだったので
ワークフローを変えて対応する必要がありますね。

更に言えばペンでの操作+Type Coverでキーショートカットは
一工夫しないと難しいです。画面の角度や手の位置的に。
少なくとも別途スタンドを用意するか、Type Coverの利用は諦めて
ソフトウェアキーボードやマウスジェスチャなどを使う必要がありそうです。
Hasebeは低めのスタンドを使いType Coverとの両立を頑張っています…が、
はっきりいって、なんか無理してる感があります。

とは言えマウスでオペレートする場合には全く関係のない悩みです。
普通のUltrabookと同じ感覚で、特に問題もなく作業ができるかと思います。
規模の大きいシーン構築やガチガチのフォトリアル志向などは
無理があるでしょうが(Mem4GBですし)、単体モデリングや3Dペインティングなら
それなりにこなせそうな感じです。
モデリングはマウスで、テクスチャペインティングはペンで…と自分のスタイルに合わせて
好きな方法が取れる事もSurfaceの魅力なんだと思います。

3Dですらこんな感じなので、2Dも軽快に動作します。
100pix超えのブラー付きなデカいブラシを使うとかは厳しいですが、
普通に描く分には問題ないかと思います。
別に無理して完成までSurfaceでやる必要もないですし。
ディスプレイポートが付いているので、会社や自宅についたら
そのままでかい液晶に繋いで、Surfaceは旧来のペンタブとして使う、
なんてのも面白そうですね。



●その他気になった点は?

無線LANがどうにも安定していない感じです。
普段使っている分には問題ないのですが、サスペンドからの復帰時などに
接続が確立するまでやたらと時間がかかったり、
または接続が上手くいかない場合があったりします。

海外の情報によればハードそのものに問題があるのではないか?と
言われているみたいですね。
Hasebeの場合、接続が上手くいかない時は全て再起動で解決できてはいるのですが、
まあ、正直、面倒臭いです。再起動が鬼のように早い(15秒くらい)のが救いでしたね。
加えてファームウェアのアップデートが行われる度に安定してきているような気はします。



●で、どうよ

100点ではないです。
恐らく技術の粋を凝らして作られたPCである事は理解している上で、
それでもやっぱり「もうちょっと軽ければなあ」とは思います。
まあこちらは恵まれたスペックと引き換えですから納得できない事もないのですが
スタンドは正直、もっとどうにかできなかったのかなと思います。
角度調整も設置可能な場所も不自由すぎる。
ノートパソコンのキーボードは角度調整の自由なスタンドでもあった訳ですね。

でも、これほど心が躍るPCもなかったです。

頭の中で「どんなシーンで使おうかなあ」という妄想がいくつも浮かびます。
そしてそれは多くが実現可能です。いや、実現可能でした。
嬉しくて色んなところで試してきたからです。
FullHDで10.6inch。「作業」をするのであればこれがサイズ的には限界かと思いますし、
スマホで撮ってSurfaceでその場で編集、空き時間の制作作業、
ひまつぶしのエロゲーム、と中身はペンタブ付きのUltrabookですので
ぶっちゃけなんでもできます。
Microsoftが自身でリード役となりリファレンスとして出した意味は大きかったと自分は思います。

真面目に制作するならデスクトップPCでやった方が効率的ですし、
持ち運びの面ではスマホや7inchクラスのタブレットにはかないません。
ただコイツはサマルトリアだからこそ、赤魔導師であるからこその価値があったように思います。
中途半端。器用貧乏。ネガティブに捉えられやすいですが、
その適応力を賞賛すべきだと自分は考えたいですね。
会社と自宅、デスクトップとスマホを繋いでくれるものとして
「買ってよかったなあ」と個人的には思えました。



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